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ホワイト川の監視所、夜が明けて―――
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カイウス指揮官「…まさか本当にアイアンハンド団を倒すとはな。大したものだ。…これで100ゴールドがパーか…オッホン!!」

モニカ「…何か聞こえたような気がしたけど…?」

カイウス指揮官「い、いや、何でもない。…とにかく、これで我々の悩みの種がひとつなくなった。衛兵隊の面目丸潰れではあるが、な」
 
カイウス指揮官「…まあそんなのは些細な事だ。アイアンハンドが倒れ、街に安全が戻ってくる。それで充分」

カイウス指揮官「ところで向こうにいるのは君の妹と…」
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 モニカ「ああ、そういえば彼女の事は話してなかったわね。彼女はサンドラ」

モニカ「今回の仕事が上手く行ったのも、彼女の協力があったからこそ。私たち姉妹だけじゃ、とてもできっこなかったでしょうね」

カイウス指揮官「ほう。頼もしい助っ人という訳か」

モニカ「それでなんだけど…」

カイウス指揮官「…何かね?」
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モニカ「…今回の仕事の報酬、彼女の分だけでも用意してもらうことはできないかしら?」

モニカ「私とミラは元々市民権と引き換えに今回の仕事を受けた訳だし、別に報酬なんて貰うつもりはない」

モニカ「でも彼女はそうじゃない。飛び入り参加みたいなものだったし、このままじゃ何の見返りもないでしょ?」

モニカ「私たちからもお礼はするつもりだけど、彼女からしてみればそれだけじゃ割に合わないと思うし…。
   無理を言っているのは承知の上なんだけど…なんとかできないかしら?」

カイウス指揮官「…すまんが、それについては私の一存では決められん。首長か執政に話すんだな」

モニカ「…まあ、そうよね。わかったわ」

カイウス指揮官「ともあれ、早くドラゴンリーチへ行きたまえ。首長がキミたちの報告をくして待っておられる」

モニカ「…」

カイウス指揮官「…?何を黙っている?」

モニカ「…首長を…く……。あの…指揮官、さすがにそれは寒すぎると思うわ…」

カイウス「え、えぇ…?(困惑)…わ、私は別にオヤジギャグを言うつもりは…って、そうじゃなくてだな!

カイウス「とにかく早く行きたまえ。ここの後始末は我々でやっておくから」
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サンドラ「…話は終わったかい?」

モニカ「ええ、とりあえずは。…それでサンドラ、今回の仕事の報酬のことなんだけど…」

サンドラ「…へ?」
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モニカ「とりあえず、これ。私たち姉妹から。今回の仕事を手伝ってくれたお礼」
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サンドラ「え、ええ?」 
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モニカ「…もしかしてこれだけじゃ足りない?後で首長にあなたの分の報酬を出してもらえないか、掛けあってみるつもりなんだけど…」 

サンドラ「い、いやぁ、そういうことじゃなくてさ。そのお金、要らないよ。受け取れない」

モニカ「ど、どうして…?」

サンドラ「だってキミたちには借りがあるからね。借りを返してもいないのにそんなの貰えるわけないよ」

モニカ「借りって…?」

サンドラ「キミたちはハジバールとの戦いの時、ボクの命を救ってくれた。とても大きな借りじゃないか」 

サンドラ「だから受け取れない。ああ、それと、首長に掛け合う必要もないよ?キミたちの手を煩わせるのは悪いし、
      彼らにとっちゃボクは、呼んでもいないのにやって来た押しかけ助っ人に過ぎないし」

モニカ「でも…」

サンドラ「いいからいいから。さ、首長が待ってるんだろう?こんなトコで時間食ってる場合じゃないだろ。街まで送るよ、ほら行こう」

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ミラ「到着~。もうすっかり明かるなってもたね」

サンドラ「家に帰るまでが冒険ってね。よし、これで一安心だ」

サンドラ「…じゃ、二人とも。ここでお別れだ」

ミラ「…へ?」

モニカ「…え…?」
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サンドラ「…何を不思議がってるんだい?元々ボクたちは、アイアンハンド団を倒すまで手を組むって話だったじゃないか。
      それを果たした今、いつまでも一緒にいる必要はないだろ?」

ミラ「…そんなこと言わんでも…。ウチらのこと仲間や思ってくれてないん…?」

サンドラ「いやいやいや!勘違いしないでくれよ!もちろん、大事な仲間だと思ってるさ!

サンドラ「キミたちがボクを仲間だと、友達だと言ってくれたことは本当に嬉しかった。決して忘れない」

サンドラ「でもね、今は少し独りになりたいんだ。勝手かもしれないけど…アイアンハンドを倒した今、自分のこれからのこと…
      色々考えたいんだよ」

サンドラ「それに、キミたちには夢があるんだろう?そこにボクがいても邪魔になるだけさ」

サンドラ「だからここでお別れってこと。そりゃあボクだって名残惜しいけどね」
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ミラ「そんなん、ウチ嫌や…。せっかく友達なれたのに…」 

モニカ「ミラ、よしなさい。彼女はようやく自由になれたんもの。ここで私たちが引き止める訳にはいかないわ」

ミラ「お姉…」

モニカ「…そりゃ私も残念だけど、ね」

サンドラ「…ありがとう、モニカ。」

モニカ「一応聞いておきたいのだけど…これからどうするつもりなの?」
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サンドラ「ハッキリとは決めてないけど…とりあえずスカイリム中を旅してみようかなって思ってる」

サンドラ「ハジバールと戦って分かった。自分はまだまだ未熟だってね。武者修行も兼ねて、この国のあちこちを見て廻ってくるよ」

モニカ「…そう。でもそうなると、道中何かと物入りでしょう?それならせめて、私たちからの報酬だけでも受け取って欲しいんだけど…」

サンドラ「だからいいってホントに。気にしなくていいから。こう見えて、手持ちは結構あるんだよ」

モニカ「…本当に?」 

サンドラ「本当だって。傭兵って結構稼ぎがいいんだ。キミたちも知ってるだろ?」

サンドラ「それよりもキミたちへの借りをどう返すかだよね。今は返せるものなんて何もないから…
      悪いけど、今度会う時まで待ってて貰ってもいいかい?」

モニカ「借りって…それこそ気にしないでよ。仲間を見殺しにはできなかった。ただそれだけの話よ」

サンドラ「いやー、命って替えが効かないものじゃん?それを救ってもらったんだしねー」

ミラ「…じゃあウチらと一緒におってよ!それでチャラってことにしたるから!」 
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モニカ「こら、困ったこと言わない。子供じゃないんだから」
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ミラ「せやけどお姉…」 

サンドラ「ごめんよ、ミラ。でもまた会えるさ。ホワイトランに寄る事があったら必ず顔を出すから。ね?」
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ミラ「う~…わかった…ゼッタイやで?ゼッタイやからな?ゼッタイ会うんやで?」
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サンドラ「ああ、ゼッタイゼッタイ。約束だ」

ミラ「…よしゃ!せやったらウチもう黙っとく。今度会った時はウチらのマイホーム、招待したるからな!」 

サンドラ「マイホーム…キミたちの夢、か。叶うといいね。楽しみにしてるよ」

モニカ「…ねえサンドラ。貸し借りの話はもうナシにしない?」

サンドラ「ええ?でもなぁ~」

モニカ「確かに、私たちはあなたの命を救ったかもしれない。けれど、あなただって報酬を受け取っていないでしょ?
   もうこれで貸し借りなしってことにしておかない?」

サンドラ「うーん…本当にそれでいいのかい?」

ミラ「…まあ、友達なんやし?貸しだの借りだの、そんなんテキトーでええんちゃう!」

モニカ「ミラもこう言ってるし、あなたさえ良ければ」

サンドラ「はは…じゃあそういうことにしておこうか。ありがとう、二人とも」
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サンドラ「それじゃあ元気で!キミたちの夢、応援してるよ!」

ミラ「あんがとー頑張るー!サンちゃんこそ元気でな!!次に会う時は家でお泊りパーティーや!」 

モニカ「またね、サンドラ。良い旅を」
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ミラ「元気でなー!」

 
モニカ「…行っちゃったわね」

ミラ「…うん…」

モニカ「落ち込まないの。また会うって約束したでしょ」

ミラ「…うん」

モニカ「マイホームに招待するんでしょ?それならいつまでもしょげてちゃダメじゃない」

ミラ「…うん」
モニカ「行きましょう?首長くして待ってるわ。…首長だけにね

ミラ「…ぷっ。お姉なにそれしょーもな!そんなオヤジギャグ今日び誰も言わんて!」

モニカ「あー…やっぱり?…でもま、元気は出たでしょ?」

ミラ「…うん、まあ。多少は」

モニカ「ふふ、それなら結果オーライってことで。さ、残るもう一仕事、頑張らないとね!」

ミラ「なんかイマイチ締まらんけど…まあええか!よっしゃ頑張るでー!」

また別々の道を歩み始めた両者。再び道が交わるその時まで、しばしのお別れ。


To be continued... 

…更新速度のみならず話の展開まで遅いって?…うっせーファレンガーぶつけんぞ!!